2021.01.28

#08 「HiKOKIは仲間」
絶対の信頼を置くパートナー。

大工 川嶋達也さま

工具に対して絶対の信頼を置く、
建て方大工のスピードスター。

鉄砲――、職人の世界では釘打機のことをそう呼ぶ。その鉄砲を巧みに操り、流れるような動作で仕事をこなすのが、建て方大工の川嶋達也さん、43歳だ。

「鉄砲(釘打機)は、リズムです。余計な力を入れずに、跳ね返りを利用して打ち込んでいく。例えるならボクシングのストレートに近いかな。ただ、パワーだけじゃなくて、細かなコントロールが大事。自分から力任せに打ちにいくっていう感じではない」

高校を卒業して、建築の専門学校に通い、それから会社勤めの大工として3年を過ごした。その後は建て方大工の親方に付いて3年、さらに建物内の内部を行なう造作大工の親方に付いてさらに3年。お世話になった親方から「ひとりでやってみたら」と、背中を押されて、30歳の時に独立した。

釘打ちについて、川嶋さんは「人に習うものではない」と語り、「早く打てるところは早く、正確性が求められるところはより慎重に」と、言葉をつないだ。

「親方から教わったとか、先輩の真似したとかではない。ただもう、早く正確に打つことだけを意識して試行錯誤しました」

釘打機をはじめ、今でこそ電動工具を巧みに使いこなす川嶋さんだが、見習い大工当時は手打ちが主流だったという。

「見習い時代にも、電動工具はありましたけど、まずは鉄砲なんか使わずに手ですよね。手打ちから始まって、それが大工の基本だと思います。親方や先輩たちが使う電動工具も数が限られていたので、ひとり1台ではありませんでした」

会社勤めの大工から親方に付いての大工として働き方を変えるうちに、大工道具も電動が主流になってきた。工具の変化を時代の流れとともに現場で感じ、機械が持つ性能を、最高のパフォーマンスで出せるよう考えて試して、挑戦し続けた末、今の技術が身に付いてきたという。

お客さまから再びご依頼いただくために

独立して数年後、川嶋さんは「ひとりで仕事を請けるということ」を、より強く感じるようになった。

それまで会社や親方が担っていたお客さまとの付き合いを、自分ひとりですべて行なうようになり、「一度請けたお客さまには、必ず2回目のご依頼をいただけるような仕事をする」ことを、常に意識しているという。

スピードはもちろん、丁寧かつ、きれいな仕事を心がける。建て方工事だと、住宅が仕上がったときには見えなくなってしまう部分ではあるが、だからこそ正確性にはこだわる。

「うれしいことに、2回目も必ずご依頼いただいてます。それが自分にとって自信にもなりますし、なによりも誇りです」

妥協を一切しない。そのためには大工道具に並々ならぬこだわりを持つのも、川嶋さんのポリシーだ。

「HiKOKIは仲間」絶対の信頼を置くパートナー。

「やっぱりHiKOKIの釘打機は、早く打てて、扱いやすい」

「やっぱり」と語る川嶋さんは、さまざまな釘打機を試してみた結果、今のHiKOKI製品が自分の手によく馴染むことを知り得た。もちろん、工具は使う人それぞれの主観やスタイルによって感じ方が違うものだと前置きをしつつ、「HiKOKIが自分にとって一番」と、自身にとっての“相棒”に決めた。

「現場に顔を出してくれる営業さんとは、密にコミュニケーションを取っています。釘打機に関しては、もっと早く打てるようにとか、要望ですね。それに応えてくれる。職人とメーカーの関係性というよりも、“仲間”です」

新しい電動工具を使ってみて、ダメだと思うときにはちゃんと伝える。それでいて、今後に改良された製品が出れば、いち早く使ってみる。電動工具に対して本気で向き合い、メーカーと本音で付き合うのが川嶋さんのスタイルだ。

独立して、電動工具はすべてHiKOKIに変えた。当初こそコードレスの製品にパワー不足を感じることもあったが、マルチボルトの登場ですべてが解決した。「丸のこは、まだまだ自分の中で満足するパワーに達してないですが、インパクトに関しては申し分なし」。そう、はっきりと語る。

あなたにとって職人の道具とは。

道具に求めるものは、パワーとスピード、そして正確性。それに使い勝手を加えて、自分の手に馴染むかどうかが、川嶋さんの道具選びの基準だ。

「道具は、使っている上で負荷を感じない、ストレスを感じないことが大事」

負荷とは工具の重さではない。使ってみて、気持ちよく仕事できるかどうかだ。例えば釘打機であれば、実際に打った感触と、その後の反動をトータルでみる。前述の「鉄砲はリズムです」、そう語る川嶋さんにとっての道具評が「ストレスを感じないこと」に集約されている。

「道具は大工職人である自分の一部として、なくてはならないもの。仕事をしていく上で、誇りを持つために必要なもの。HiKOKIは仲間だと思っているから、良い関係であることが大事。自分自身が向上するためにも必要な関係なのかな」

道具を知り、道具を活かす。川嶋さんの技術は確かな道具と、メーカーとの信頼性の上で築かれている。

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